友人からのお金の借り方
日本には「親しき仲にも礼儀あり」という素晴らしい諺がありますが、そうした礼儀について考えると、お金の問題が絡んでくる時ほど、なお一層の礼儀が必要になってくると考えられます。なぜならお金の問題とは非常にデリケートなものであり、たとえ家族や身内や親友でも、お金の借り方を曖昧にしてしまったら後で大きなトラブルが発生してしまう危険が大きいからです。
実際に世の中には、金銭トラブルが原因となった犯罪や事件が非常に多く見られます。その中でも特に目立つのが、身内同士、あるいは顔見知り同士の犯罪です。
たとえば、「金を貸してあげたのに返してくれない」とか、「頭を下げて借金をお願いしたのに貸してもらえなかった」などということが原因で刃傷沙汰に及んでしまうような事件は枚挙にいとまがありません。
ですから友人同士の借金は、慎重の上にも慎重を重ねて熟考した上で判断すべきです。
たとえどんなに親しい友人であったとしても、「貸して欲しい」と頼まれたからといって二つ返事で安易に借金を引き受けてしまうのは、どう考えてもリスクが高すぎます。
逆に自分が借金を頼む場合でも、たとえ、「あの人ならば幼い頃から兄弟同然に親しくしてきた特別な友達なのだから、きっと頼めばお金を貸してくれるに違いない」などと思い込んではいけないでしょう。友達には友達の都合がありますし、自分がその都合の全てを知っているわけではないのですから、たとえ頼んだとしても、その結果は友達の返事を聞くまでは分からないのです。決して期待し過ぎてはいけません。
ですから友人に借金を頼む際の正しい方法としては、まずは絶対に「貸してくれるはずだ」とは思い込まないことが肝心です。どんなに一生懸命お願いしても、貸してくれることもあれば貸してくれないこともあります。それは当たり前のことですので、思い込みは厳禁です。それゆえ借金を頼む前には、もしも断られてしまった時には、次にどうするのかも考えておくべきだと言えます。
また、借金を頼んだ結果、無事にお金を貸してくれることになったとしても、正しい借り方というものがあります。たとえ大親友同士の仲であっても、礼儀は必要ですし守るべき常識的なマナーなどもあるのです。それらを踏まえた上で借りないと、せっかく貸してくれる友達に対して失礼になってしまいます。そうなると、その後の人間関係にヒビが入ってしまうかもしれません。くれぐれも気を付けましょう。
具体的には、貸してもらう金額は、あくまでも友達の経済力の範囲内の金額だけに抑えておくべきです。友達は無理して大金を貸してくれようとすることもあるかもしれませんが、それは丁寧に辞退すべきです。もしも友達に無理をさせてしまっては、今度は友達までもがお金に困ってしまう危険があります。それは避けなければなりません。
また、友人にお金を借りた後の返済ですが、極力、具体性のある計画を事前に提示しておくべきです。たとえば「毎月の給料日は20日なのでその翌日に振り込みます」とか、「6月と12月のボーナス時期には10万円ずつ返済します」というように日時や金額を明示しておくことが大切です。そうすれば友達も安心できるのです。
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